「We choose to go to the moon.」ーJFKー Moonshot Goal と ELSI/RRI (人生も国家も選択する時)
Moonshot の語源は、1961年に第35代アメリカ合衆国大統領 ジョン・F・ケネディが発表した人類初の月面着陸を目指す「アポロ計画」です。ケネディ大統領は「1960年代が終わる前に月面に人類を着陸させ、無事に地球に帰還させる」と宣言しました。当時「月にロケットを打ち上げる(Moonshot)」ことは極めて困難で、かつ無謀と思われていましたが、1969年にアポロ11号が月面着陸を成功させたという歴史的経緯があります。今に生きる我々も、ともに生きる人々の健康と幸福追求(Human Well-being)のために、未曾有の「超高齢化社会」や「地球温暖化問題」といった極めて困難な社会課題の解決に向け、逃げることなく取り組んで行かねばなりません。その1つの手段が科学技術研究・開発によるイノベーションになります。新たな科学技術が実際に社会で広く用いられるようになる(社会実装される)際に求められるのが、倫理的課題・法的課題・社会的課題への対処です。英語では、その頭文字をとって、ELSI(Ethical, Legal and Social Issues)と呼ばれています。分かりやすく言うと「できることが拡大」していくことを見据え、「やって良いこと」「やらなければならないこと」「やってはならないこと」を検討することが求められるということです。「ならぬものはならぬ」のです。同時に、責任ある研究とイノベーション(Responsible Research & Innovation: RRI)も求められています。ひと言で言うと、善意の科学研究者であったとしても「責任ある態度の重要性」です。患者を診る医師-Physician-scientist-の端くれとして肝に銘じたいと思います。医療分野に関連すると思われる Moonshot Goal は「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現する」「2050年までに、超早期に疾患の予測・予防できる社会を実現する」「2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現する」「2040年までに、主要な疾患を予防・克服し100歳まで健康不安なく人生を楽しむためのサステイナブルな医療・介護システムを実現する」「2050年までに、こころの安らぎや活力を増大することで、精神的に豊かで躍動的な社会を実現する」ことでしょうか。現代の我々が直面している社会課題から、果たして、昭和生まれは「宇宙戦艦ヤマト」のストーリーをRomanticに想起し、平成生まれ以後は「アポロ計画」をポルノグラフィティの邦楽曲から知るのでしょうか。1962年のJFKの演説からは、単に「最初で一番であること(to be first)」だけを目指していたのではなく、個人の強く揺るぎない決意と国家の自負(Pride)を感じます。「アポロ計画」は国家としての信念とVisionの証であり、現代のMoonshotの実現を強く信じて疑わない自分がいます。皆さんはどう思われますか。
JFK Library(ジョン・F・ケネディ大統領図書館・博物館)
「JFK-その生涯と遺産」展(国立公文書館ニュース Vol.1)
ムーンショット型研究開発制度(内閣府 Cabinet Office)
